万年筆博士のあゆみ
年 | 事柄 | 時代 |
1923 | 初代山本義雄(鳥取市1911.1月生まれ)12歳にして単身上京 次兄定雄(1897.10月生まれ)が営む東京池袋の万年筆製造所(東京府北豊島郡西巣鴨町大字池袋831番地 現 東京都豊島区南池袋1丁目 付近 )に見習い職人として入る | 家内制 手工業 |
1928 | 定雄は満州大連市浪速町2丁目(現天津街)に販売拠点として支店開設、共に大連へ渡る。この時初めて「万年筆博士」を屋号とする | |
1934 | 義雄独立する。大連市内の職域販売を主とする外商として | |
1944 | 疎開して故郷の鳥取へ帰る。実家(野坂)で万年筆製造、大阪の梅ヶ枝町の山崎に納品していた | |
1945 | 鳥取市瓦町の借家で製造、小売を始める。『万年筆博士』を掲げる | |
1946 | 鳥取駅前(栄町)に支店をつくる。商標(SILVER、DOCTOR) | |
1948 | 大連より引き揚げた兄定雄は岡山駅前で『万年筆博士』を開業するが、5年程して廃業する。 | |
1952 | 9月 田中晴美(1937.1月生れ)職人の末弟(岡本、岡島)として入社する | |
1960 | マスプロ、マスセールス時代に入り、大手メーカー品以外見向きもされなくなり、製造販売から、仕入販売へ移行 | 専門店 (仕入販売) |
1970 | 二代目山本雅明(1942.12月生れ)東京のプラチナ万年筆(株)で営業を4年経験したのち帰郷 | |
1978 | 有限会社として法人登記(代表取締役山本雅明) | |
1982 | 筆記具の多様化、ワープロ、PCの普及も始まり、万年筆そのものが売れなくなっていた。万年筆の専門店が姿を消し、デパート、文具店から万年筆の売り場が姿を消していく。当社も例外ではなく、苦戦していた。万年筆のプロとして諦める前に、最後にチャレンジをしようと、世界初、書き癖診断カルテをもととした、書き癖に合わせたペンポイント研磨、ペン先調整、ろくろ仕事によるカスタムメイド万年筆を発売する。生き残りの職人と、錆だらけの機械や道具たちを修理復活させ、原材料であるエボナイトを世界中探し、セルロイドを国内で復刻させた。 | カスタムメイド |
1984 | 軸材にドイツ製エボナイト三柄:ブラック、レッド&ブラック、オレンジ&ブラック(現在は無)を使用、ペン先から軸まで一貫して製作できるシステムが完成 | |
1985 | 軸材にセルロイド製品を開発、三柄:ジェードグリーン、リップルレッド(現在は無)、オレンジマーブル(現在は無)ダイセル化学工業とタイアップして復活 | |
1986 | 日本初、羽根ペンを復刻製作、発売する(現在は無) | |
1987 | 黒水牛角、オランダ水牛角製(現在は無)万年筆を世界初発売、セルロイド新柄ラピスラズリブルー(現在は無)が加わる | |
1990 | 軸材に世界初本べっ甲製品を開発 | |
1991 | 軸材にヴァイオレットウッド(現在は無)製品を開発 | |
1995 | デパート等の催事販売をやめ、年に一回独自の万年筆交流会を東京で始める | カスタムメイド、ダイレクトセリング |
1996 | 三代目山本竜(1974.5月生まれ)帰郷 ペン先調整から始める 金具(クリップ、リング等)に14Kソリッドゴールド鍛金金具を導入する |
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1999 | オリジナルGPユニコーンクリップを開発、エボナイト新柄ブルー&ブラック(現在は無)が加わる | |
2000 | 軸材にココボロウッド製品を開発 | |
2005 | イカ墨セピアインク限定版、普及版発売 | |
2008 | 2月1日 代表取締役山本竜 取締役顧問山本雅明 | |
2009 | 田中晴美 受注終了 山本竜 70年ぶりに進化復活する道具たち、ろくろ、くしがま、うま、本打平バイト5種7年がかりで完成させる 山本竜 受注納品開始 軸の長さ、重さのトータルバランスを考慮したフルカスタムメイドシステム(ビスポーク)の開発 軸材に老山白檀拭き漆(30本限定完売)、かりんの瘤拭き漆、アフリカ黒檀、本紫檀を開発 |
フルカスタムメイド、ダイレクトセリング |
2011 | 年に一回の東京万年筆交流会をやめ、年に数回のマンツーマン診断受注イベントをはじめる(東銀座) 10月 田中晴美 29年間のオーダー万年筆作りにピリオド 勤続59年 74歳で勇退 |
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2012 | 万年筆のデザインに黄金比(DESK)、白銀比(NME)を取り入れる | |
2013 | 創業80周年記念モデルとして15号バイカラーペン先100本限定で開発完売。それに伴い鍛金金具にシルバー950燻仕上げと14Kホワイトゴールドを開発完売 | |
2014 | 年間受注納品の50%以上が海外からのものとなる。 | |
2016 | オランダ、アムステルダムで診断受注イベントを行う |